名刺は営業ツールとして不可欠だが、その内容やデザイン、受け渡しマナーは意外と軽視されがちだった。しかし最近、２０代後半から３０代前半の女性に名刺のマナーを学ぶ人が増えるなど、名刺を見直して第一印象をプラスにしようという動きが広がっている。名刺交換のマナー次第で第一印象が変わる。名刺は自分の顔。渡した後に『誰だっけ？』と思われる名刺だと意味がない。やり方一つで、ほかの人との違いを出し、名刺に仕事をさせることが出来る」と話す。では、どんな名刺がいいのか。相手の記憶に残る、仕事の依頼が来るなど、意図した結果を出せるのが良い名刺です。例えば、（1）写真や似顔絵を入れる（2）肩書を「代表取締役」などとせず、変わった名称にする（3）会話の糸口になる言葉を入れる（4）得意分野に誘導できるようなフレーズを入れる――など一味違ったデザインです。角を折って渡すなど何か変わったことをして、印象に残るような工夫も勧める。裏面に英語表記を入れる人も少なくないが、日本人とのやり取りが多いなら、「格好良さより多くの情報を書く方がいい。出来る人ほど、人とは違った名刺を持っている」と堀内さんは言う。似顔絵を入れて、顔を覚えてもらう 「選べる似顔絵 個性派名刺ネット」を展開する豊森直人さんは、「会社の名刺を作り替えるのは大変という人は、似顔絵や情報を書いたシールを利用すると個性が出せる」と提案する。電通では、裏面を１００種類の色から選べる「１００色名刺」を２００２年から採用している。コーポレート・コミュニケーション局業務管理部長の中村敬一さんは「話題性があり、取引先に好評。会話の糸口になるので、営業にもプラスになっている。社員は、一年間は同じ色を使うため、慎重に色を選び楽しんでいる」と効果を説明する。 名刺の受け渡しがきちんと出来る人は少ない。他者との差別化を図るためにもマナーは大切です。 名刺の束を輪ゴムでまとめて、必要な時に探しても見つからない。なかなか捨てられない。そんな経験をした人も少なくないはず。（1）どういう探し方をするかを考え、会社名、業界、名前順などルールを決めて管理する（2）線引きをして、いらないものは捨てる（3）半年から１年ごとに箱にまとめ、２年前の名刺で一度も見なかったものは捨てる――を挙げる。さらに、「ため込まないことが大切」ともアドバイスする。
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